生産者情報

富士山ワイナリーの歴史は、世界に通用する日本産ワインを造ることにより、日本の農業を活性化させることを使命に掲げたジャパン・ワイン・プロジェクトと共に始まります。

2003年に白ワインの世界的権威である醸造家ドゥニ・デュブルデュー氏を日本に招き、日本食に合う世界クラス の日本産ワインを造るというミッションに着手。
当時絶滅の危機にあった日本古来の品種である甲州種のワインを世界基準で造ることを設立当初からの目的としてきました。

甲州種の科学的特徴と味わいの調査のために幾年もの歳月を費やしたデュブルデュー教授は、糖度の低いポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデと高い酸を持つシャンパーニュのシャルドネという2つの成功例を挙げ、甲州種から酸が高くアルコール分の低いスパークリングワインをトラディショナル方式で造ることを提案しました。

ブドウはすべて自社畑でサスティナブル農法での栽培を徹底しています。
フランスの伝統的なVSP(垣根栽培)方式で栽培する畑のブドウに、食用ブドウで一般的なペルゴラ方式(棚栽培)で栽培する畑の収量を極力制限したブドウをブレンドしています。
※VSP(垣根栽培)方式とは
世界的に最もメジャーなワイン用のブドウの樹の仕立て方。
垣根の様に平べったく仕立てる方式。
ペルゴラ方式(棚栽培)とは
高い位置に棚を作りそこにブドウの樹を誘引して成長させる方式。
ブドウの実を強い日照から守れるうえ、地上と離す事で病害、湿気から守れるなどの利点もある。

VSP方式をとることで生産量は落ちますが、葉の両方向からの光合成を可能にし、日照量が増えることで凝縮感の高い果実味が得られます。畑は全て標高500メートル以上と日本国内でも屈指の高地にあり、夜は涼しく昼夜の寒暖差が大きいため、偉大なワインに欠かせない理想的な酸度を得ることが出来ます。

ブドウは、果皮由来の苦みを避けるようにやさしく圧搾し、酸素との接触を最小限に抑えることで、日本食の繊細な味わいにマッチするフレッシュで生き生きとしたアロマと風味を引き出しています。

このような醸造手法をとることでドザージュを最小限(エクストラ・ブリュット)に抑えることができ、甲州種のピュアな果実味が引き立ちます。仕上げに瓶内熟成の期間を2年以上とることにより、ブドウに本来備わっているユニークな個性を覆い隠してしまう酵母の風味を過度に引き出すことなく、ワインにふくよかなボディを与えます。